■全てお気に召すまま■
「春の薔薇にかけて、男の純情と、名誉と、真実と、すべてのものにかけて、
僕は言うよ…僕は君を愛してる」
「……………シェイクスピアか?」
「うん。君好みかと思ったんだけど、ハズレ?」
「いや、ない頭を使ったことは褒めてやろう。
それから、喜劇から引用したことで評価は上乗せだ。
褒美にキスをひとつやってもいい」
「え、本当に?」
「ああ、もちろん」
俺たちには、悲劇より喜劇の方が、ずっと似合うから。
■絶対的な信頼■
「いってらっしゃい」
「ああ、行ってくる」
「……おいおい、スザク?ルルーシュのこと引き留めたりしないのか?」
「え、なんで?」
「だって今の明らかに告白のお呼びだしじゃんか!いいのかよ、おまえ」
「うん。あのさ、だからどうして僕が彼を引き留めなきゃいけないの?」
(ルルーシュはとっくに僕のものなのに、なんでいまさら?)
■勇敢なるパートナーへ■
「だって、僕は一般市民を守る義務があるもの」
「そこに転がってる死体まがいの奴らにも、一応人権はあると思うが?」
「ルルーシュに手を出したときに彼らはそんなもの放棄したも同然だよ」
「…スザク、復唱」
「………だって、僕はどうしてもルルーシュを守りたかったんだ。
だから彼らを許せなかった。…君は僕を軽蔑する?」
「はは、まさか。愛しているよスザク」
■君のためなら、たとえ■
「ルルーシュに傷ひとつつけないためなら、死んでも構わないんだ、って言ったらどうする?」
「許さない。もしもおまえが俺のために死ぬ日が来たなら、おまえが好きだと言ったこの瞳をつぶして、
おまえが触れた髪もおまえが抱いた身体もすべてズタズタに引き裂いてから、
この世でもっとも苦しいと思われる方法で自害してやる」
「……僕、死ねないじゃないか」
「ああ、そうだ。
おまえは生きなきゃいけないんだよ」
■それは聞けない命令■
「でも、僕は君のために自分を一人殺してしまったから。…生きるなんて、無理だよ」
「無理じゃない。おまえなら大丈夫だ」
「じゃあ、僕はどうやって死ねば良いの?生きろだなんて命令、アンフェアだ。
君が死んだら息もできないのに。せめて死ぬ方法も僕にちょうだい」
「………ならば、死ぬ時は…俺と共に」
「イエス、マイマスター」
- fin -
2007/10/9