PHOTO CLUBの二人が喧嘩したようです


 

■01/真っ白に濁ったフィルムが、手の中でぐしゃりと潰れた■


「ルルーシュ開けるよ!」
「わっ、馬鹿開けるな今…っ!!」
「僕の試合用の胴着………あ、」
「………」
「…えっと、ごめん。も、もしかして…」
「もしかしなくても、フィルムの現像中、だ」
「ご、ごめん!胴着明日必要だったから、僕つい焦って」
「良いんだスザク。明日は試合だもんな?はは、怒ってないよ」
「ルルーシュ…り、リールが折れ曲がりそうだよ…?金属だよね?それ…」
「ほらこれだろう?おまえが昨日忘れてった胴着」
「ごめん、本当に謝るから、ごめんってば、」
「うるさいとっとと出て行け!ついでにおまえなんか明日の試合で惨めに負けてしまえっ!!…そして死ね!!!!!」
「ルルーシュごめ…っ、っていったい!リール投げないでよ!!写真部の備品でしょ!?」



















■02/美しいあなたの心は、私が守ってあげるから■


「…ルルーシュ、何かあった?部室、荒れてる…」
「ああ、アーニャすまない。…現像か?」
「うん」
「悪い、リールを壊してしまって、今日はフィルム現像は出来ないんだ…」
「大丈夫…。今日はプリントの方」
「そうか、良かった」
「………ねえルルーシュ」
「ん?」
「ゴミ箱のフィルム、失敗?」
「そうだよ、感光したんだ」
「…これ、この間の?」
「まあな」
「スザクのせい?」
「違うよ、俺の不注意だ。アーニャも知ってるだろう?俺が現像でよくミスすること」
「…ルルーシュ、明日9時に門の前、いて。カメラ持って。約束」
「は?何だ。突然」
「いいから、…約束」
「…わかったよ。あれ、アーニャ、プリントはしないのか?」
「………予定変更。約束、忘れないでね?」



















■03/あの写真以上に素晴らしい"シーン"を彼に提供なさい■


「おいスザク、女の子が呼んでるぞ」
「え、あ、はい!」
「あれ、おでこどうしたんだ?真っ赤だけど」
「…いや、色々事情がありまして…」
「まあいいや。行って来いよ」
「はい。…って、あれ。僕呼び出したのって、アーニャだったの?」
「そう」
「どうかし、」
「…制裁」
「………理由はわかってるけど、女の子なら普通ビンタじゃない…?ぐーはさすがに痛いよ…」
「あの中身」
「うん」
「お正月の写真、いっぱい」
「…そっか。でもルルーシュも酷いよ。僕は明日試合なのに、リール投げつけるなんて、」
「ナナリーと私とスザク、すごく良く撮れたって、ルルーシュすごく嬉しそうだった。私にも焼き増ししてくれるって、約束、してたの」
「………ごめん」
「…謝るくらいなら、明日優勝、して。絶対」



















■04/ああ本当に残念。今の私じゃ、その微笑にすらシャッターを切れないわ■


「おはよう、アーニャ。なあ、なんでこんな時間に、」
「…おはよ」
「お、おい、どうしたんだ!?怪我、してるじゃないか…!」
「スザク、殴った」
「殴ったって…、」
「いま、スザク最高に無様。笑える」
「あんな馬鹿放っておいて良かったんだ、こんな怪我なんて」
「………でも残念なの」
「何がだ?あいつに何か言われたか?それなら俺が、」
「ううん。スザクの阿呆面、記録したいのに、これじゃ無理」
「…っ、」
「だからルルーシュ、代わりに写真撮ってくれる?」
「…………」
「手、痛い」
「……………っ、」
「…すごく痛い」
「…わ、わかった!ほら、貸せ。荷物は俺が持つから」
「ありがとう」
「それは俺の台詞だよ。…ありがとう、アーニャ」



















■05/仲直り、できた?■


「…ルルーシュ、来てくれたんだ」
「アーニャが、スザクの無様な顔を撮って欲しいと言ったからな」
「はは。うん、ほんと。随分男前でしょ、いま」
「酷い顔だ」
「…ごめんね、昨日」
「………」
「もうノックしないで部室に入ったりしない。…絶対しないから、本当にごめん」
「…優勝したら許してやる。駄目にした写真以上に、良い写真撮らせろよ?」
「……っ、うん!」
「あと、今日の夕方、アーニャにケーキを奢るから、付き合え」
「もちろん!ナナリーも誘おうね」
「当然だ。…まったく、おまえのせいで、リールやら新しいフィルムやらケーキやらで、とんだ散財だ」
「慎んで半分出させて頂きます…」
「…じゃあ、頑張れ。負けたらケーキは連れて行かないからな」
「うん、絶対勝つから!格好良いところ撮ってね!!」

- fin -

2009/2/26

拍手その7。
仲良しの写真部だって、喧嘩もします。