Because I love you


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言葉にしてしまえば、ほんの五秒にも満たないなんて!

















































ルルーシュの通学路は、学園区域だというのにやけに街灯の少ない道だった。
かつんかつんと、スザクの松葉杖の音だけが耳につく。
松葉杖のスザクに合わせてゆっくり歩いていたルルーシュが、不意に意を決した ように顔を上げた。

「俺、おまえに何かしたか?」

具合の悪い街頭がパチパチと瞬いて、ルルーシュの俯いた細面を青白く照らす。
漆黒の髪が闇に溶けたせいで、それが余計に際立って見えて、スザクは思わず見 惚れた。

「…もし、気に障ることをしたなら謝罪を」

「違う!違うよっ」

けれど予想もしていなかった言葉を掛けられ、スザクは慌てふためいて血相を変 えた。
確かにスザクは動物園に行って以来、不自然に彼を避けた。
だけどそれがルルーシュを傷つけるだなんて、思いもしなかったのだ。
だからどうか、そんな顔をしないで欲しい。

「…ルルーシュが悪いことなんて、何もないんだ」

どうか、そんな目で見ないで欲しい。

「だけど…、急に暗室にも来なくなったじゃないか」

「…それ、は」




どうかどうか、そんなこと言わないで。




ルルーシュの悲痛な瞳に、胸が抉られるほど痛むのに、わずかな歓喜に心臓が打 ち震える。
息が苦しい。
頬に火がついたように、熱い。
彼の詰る言葉が、会いたかった、と聞こえるのは果たして気のせいだろうか。
この際、勘違いでも何でも良い気がした。
この数日、スザクはルルーシュに会いたくて、だけど会いたくなくて、気が狂い そうだったのは事実で。





























「だって、僕…っ」

























































































こんなにも苦しかった理由なんて、一つしかないから。

- fin -

2008/6/17

こんなにも、君を、